リハビリが必要ないろいろな疾患
パーキンソン病とは
脳の幹にあたる部分の神経細胞が減り、神経伝達物質(神経と神経とに情報を伝える物質)が少なくなって身体がスムーズに動かなくなっていく病気です。
パーキンソン病はいまのところ完全に治る病気ではありません。しかし、1日や2日で変化のある病気でもありません。進行の速度には個人差もありますが、一般的に、病気の進行は遅く、薬のお陰でほとんどの症状がおさえられ、かなり長い間自立した生活が可能です。
パーキンソン病の症状
1.転びやすくなる
どんな時に転びやすいか?
歩きはじめの一歩目がでにくい
歩いていて向きを変える時に足がでにくくなる
すり足になり、ちょっとした段差でつまずきやすくなる
2.口まわりの症状
飲み込みが悪くなる
唾液が多くなる
3.その他の症状(自律神経症状)
立ちくらみがする(起立性低血圧)
便秘
おしっこが近くなる(ひん尿)
4.精神症状
うつ症状
不安
(幻覚、妄想)*薬の副作用
パーキンソン病と診断されたら
薬のコントロールと、リハビリが大切です
パーキソン病友の会や、お住まいの地域の保健師さんケアマネージャーさんに
相談し、社会とのつながりを持ちましょう
1.リハビリ専門職からのアドバイス
生活のコツ
パーキンソン病で入院される方の多くは、転んで骨折か、誤嚥性肺炎(食べ物や飲み物が肺の方に入り肺炎になる)です。
普段から、転倒と誤嚥に気をつけましょう
1)転びやすい場所とアドバイス
階段や大きな段差は、みなさん気をつけられるので転びにくいです
転びやすい場所
屋内では、畳のヘリや部屋と部屋の間の敷居などの段差と感じないような場所に注意が必要です
屋外では、舗装が悪いデコボコ道や小石には注意しましょう。
屋内、屋外共に、せまい場所では足が出にくくなります。足がでにくくなった時はその場で、足踏みをしながら足をだすと出やすくなります。
歩いていて向きを変える時も足が出にくくなりやすいです。向きを変えるときも足踏みをしながら向きをかえると足が出やすく転びにくくなります
2)口の中をキレイにして肺炎予防
手の動きがゆっくりになり、歯磨きの時、磨き残しが出てきます
そこで、電動歯ブラシをオススメします。
電動歯ブラシは、柄が大きくて持ちやすいものがオススメです
3)家庭で出来るリハビリ
1、散歩
転びやすくなるので、杖があると安心です
パーキンソン病は、身体が前かかみになってきます
そこで、ノクディックウォーキングをオススメします
2本の杖で安心ですし、背筋が伸び、足が大きく出やすくなります
ノクディックウォーキングのコツ
①手を出すことだけに意識する
②杖はつくというより、地面におくイメージでついて下さい
③下り坂は、転びやすく危険ですので、なるべく平地を歩きましょう
2、身体をひねる運動
3、四つ這いでのバランス運動
4、口の体操
*最後に
普段の生活がリハビリです
パーキンソン病だからといって生活を変える必要はありません。パーキンソン病であることを意識しすぎず、できるだけ今までどおりの生活を送りましょう。
体が動かしにくいと、外出もおっくうになりがちですが、家の中に閉じこもって体を動かさずにいると、筋肉や関節がかたくなり、ますます体が動かなくなってしまいます。積極的に外出することで生活にメリハリがつき、心が前向きになって、運動能力が低下するのを防ぐことができます。
体が動かしにくいと、外出もおっくうになりがちですが、家の中に閉じこもって体を動かさずにいると、筋肉や関節がかたくなり、ますます体が動かなくなってしまいます。積極的に外出することで生活にメリハリがつき、心が前向きになって、運動能力が低下するのを防ぐことができます。
できる範囲で身の回りのことを自分で行い、運動量の低下を防ぎましょう
脳卒中とは
脳卒中とは、脳の血管の病気をまとめて「脳卒中」と言います。
脳卒中には、脳の血管がつまる脳梗塞。脳の血管が破れ脳の中に血液が流れだす脳出血。脳のまわりを覆う膜(くも膜)の下の血管が破れておこる、くも膜下出血などがあります。 脳卒中の発症脳卒中は、急におこる事が多い病気です。意識がなくなって倒れ救急車で入院するケースや、身体のシビレや言葉が出にくかったりして病院に行くと脳卒中と診断され、緊急入院になるケースが多いです。ですから、入院の準備をする事が出来ず、入院に必要な物が自宅になかったり、どこに売っているのか解らないとの声をよく聞きます。 脳卒中の症状脳卒中は、脳のどの場所が、どれくらい障害されたか(出血の量、血管の詰まり方)によって、症状は千差万別です。代表的な症状は、
1、意識障害
一般に意識障害というと、意識がなくなってたおれるというイメージがありますが、脳卒中の初期には、認知症のような症状がでてくる人もいます。
意識障害は、徐々に回復してきますが、意識が回復しない方や、認知症のような症状がのこる方もいます。
2、高次脳障害
高次脳障害とは、脳の複雑なはたらきが障害されるためにおこる障害です。
3、運動障害
手や足の麻痺で、脳卒中で最も多い障害です。
身体の左右が麻痺する半身麻痺(片麻痺)が多く、顔の半身におこる事もあります。
また、半身麻痺でなく四肢麻痺の症状がおこる事があります。
4、感覚障害
感覚障害は、しびれ感があったり、感覚(触覚、痛覚、温度感等)が鈍くなったり、無くなったりする障害です。
5、言語障害
言語障害は、言葉は理解できるけど、話すことができない方。話すことは出来るが言葉を理解できていない方。話すことも、理解すること出来ない方がいます。
これらの症状は、脳の機能回復に伴って徐々に回復してきますが、後遺症がのこる場合もあります。
リハビリ
身体の状態が落ち着いたら、リハビリが始まります。リハビリは、リハビリ専門職の理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)が行います。
退院にむけて
まず、介護保険の申請を行いましょう。
介護保険の申請は、市役所等で可能です。わからない時は、病院のソーシャルワーカー(SW)さんに聞くと丁寧に教えてくれます。
退院後の生活で注意が必要な場所は、玄関等の段差、お風呂、トイレです。
段差をなくしたり、手すりをつけたりの住宅改修が必要なことがあります。
住宅改修費用は、介護保険が使えますので、ケアマネージャー(ケアマネ)さんに相談しましょう。
退院前にリハビリ専門職等と一緒に自宅を見てもらい、どこに手すりはつければいいか相談しましょう。
リハビリ専門職からのアドバイス
1、生活のコツ
① 体調管理
脳卒中後遺症の方は、合併症として高血圧、糖尿病、動脈硬化等の持病をもって
おられる方が多く脳卒中を繰り返すことが多いです。
日頃から、血圧、食生活には気を配りましょう
② 転びやすい場所とアドバイス
階段や大きな段差は、みなさん気をつけられるので転びにくいです
転びやすい場所
屋内では、畳のヘリや部屋と部屋の間の敷居などの段差と感じないような場所に注意が必要です
風呂場は、すべりやすく転倒しやすいです
屋外では、舗装が悪いデコボコ道や小石には注意しましょう
③ 自助具を利用しましょう
病院では食事の時にリハビリとして箸の使い方を練習したりしますが、自宅では食事は楽しく食べないと毎日の食事が憂鬱になってきます。
頑張って箸のリハビリ等をするのではなく、楽しく食事が出来るように、自助具の使用をおすすめします。
家庭で出来るリハビリ
1、散歩
転倒防止の為に杖をついて散歩をしましょ*おすすめの杖杖は、高さの調節が可能な一本杖(T杖)をおすすめします 4点杖は、地面が少しでもデコボコしていると不安定になり 屋外での歩行には不向きです
2、
3、
最後に
脳卒中後遺症の方は、リハビリを頑張りすぎる傾向にあります
痛みをこらえて、きついのに耐えるのがリハビリではありません
周囲からの、「リハビリ頑張れ」のプレッシャーから、無理される方もいます
頑張る必要はありません。できる範囲で身の回りのことを自分で行うことがリハビリです
そして、継続することです
無理なく、楽しく続けられるリハビリを心がけましょう
変形性膝関節症
変形性膝関節症
膝の痛み
変形性膝関節症とは
膝関節の軟骨が磨り減り、さらに骨が変形し痛みを生じる病気です。
症状
1、痛み初期では、歩きはじめに痛みでることが多いです
病気が進むと、歩いている時はずっと痛みがでてきます
さらに病気は進むと、痛みで歩くことが出来なる事もあります
2、伸びない、曲がらない
膝がまっすぐ伸びなくなったり、星座ができなくなります
3、変形
膝が変形してきます
O脚変形やX脚変形が特徴です
*図挿入
4、膝の不安定性
歩くときに、膝が外側にぐらつくことが多いです
リハビリ専門職からのアドバイス
生活のコツ
① 膝への負担を軽くするために、生活スタイルを変えていくことをお勧めします
例えば、布団や和式トイレの生活からベット、イス、洋式トイレへの生活にすることで膝への負担を軽減できます
② 膝を支える筋肉を鍛えましょう
膝への負担を軽くし膝の動きを滑らかにすることが目的です
③ 体重を減らしましょう変形性膝関節症の方の約8割が肥満と言われています
食事量に気をつけ、適度な運動を行い、膝への負担を軽減しましょう
自宅で出来るリハビリ
①仰向けに寝て、片足を少し上げる
注)上げない方の足は曲げておいて下さい。腰痛の原因になります
②イスに座って、片足づつ足を上げる
③プールでの歩行
最後に
リハビリは、適切な運動を生活の中に取り入れ長く続けていくことが大切です
無理に回数を増やしたり、痛みが強いのに運動を行うと症状が悪化します
リハビリ専門職に相談し運動量を調節しながら行ってください。